独女フェミニストのオンネン

フェミニズムと反出生主義

不妊治療って必要ですか?

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不妊治療が女性を"産む機械"たらしめてませんか?

不妊治療って要らなくない?(語弊)って話

(今回は軽め・短めです)

※と思ってたんですがそこそこ長くなりました。(2500字ちょっと)

お手すきの方はお付き合いいただければと思います。

不妊治療とは?

今回は「体外受精」や「顕微鏡受精」などの生殖補助医療を想定したい。

人工生殖ともいう。(自分はこの表現の方が現実に即していると思う)

  

上記の生殖補助医療のほか、不妊治療の手法としては

・タイミング法 排卵日を診断して性交のタイミングを合わせる

排卵誘発法 内服薬や注射で卵巣を刺激し排卵を起こす

・人工授精 精液を注入器で直接子宮に注入する

が挙げられるが、

まとめるとつまり

"痛くても辛くても何とか子作りを試みること"の様だ。

 

保険適用することの意義

基本的に医療保険(いわゆる窓口3割負担)というのは、自分の意思では避けられず、放置すると死ぬ疾患に対して適用されるものと考えている。

なので、ハゲに適用されるのは甚だおかしな話であるし、社会的圧力はさておき一応自由意志が存在する妊娠出産に付いても同様だ。

癌になりたくてなる人はいないし、大部分の癌は放置すると死ぬ。

ハゲても死にはしないし、子供産まなくても死にはしないでしょ?って話である

 

産めないなら産まなくてよいと思うのだ。まして保険適用にする意味が分からない。

産むのに向いてない体に負担かけて妊娠状態にすることを“治療“とは言わないと思う。

それが人体のあるべき姿ならまだしも、妊娠しない方が健康面のメリットは多い故に殊更に違和感があるのだ。

妊娠状態にすることでさらに身体へ負担がかかる方にリードしている上に、

『(女性)自身の命を賭してでも子を成さなければならない』という強迫観念を強化してはいないだろうか。

国民皆保険によって女性の産む機械化が促進されているまである。

 

ちなみに一例として、私自身は脚の条件が悪くアスリート(のようなもの)を諦めたクチであるが、

多方面からの叱責を受けることを承知の上で言うとすれば、

アスリート向きでない脚を保険適用で作り替えたい!という要求が通らないことは想像に難くないだろう。

不妊治療も同様でないだろうか。

プロアスリートになれないのであれば他の職業を見つけなければならない。

自分の脚では食べていけないのだから仕方の無いことである。(諦めきるのに時間は要した)

妊娠出産に不向きな身体であるのならば、"子供を持つこと"以外の人生の目的を見つけることを勧めたい。

 

加えて横道だが「子供を持たなければ!」っていう強迫観念にはカウンセリングが必要なのではないかと思う。

(子供が欲しくないなんて精神異常者だ!病院行け!に対する皮肉です)

 

そもそも子供は本当に必要か?

子供がいなきゃ私は駄目だ。

子供がいないと自分の人生は赤点だ。

そんなこと無いと思う。思い込みではないだろうか?

誰かに思わされているのではないだろうか?

なぜ自分の身体を痛めつけてでも実子でなくてはならないのだろうか?

本来必要なのは「自身の健康・金銭に構い無く実子が欲しい気持ち」の根源を明らかにしケアすることではないか?

ではなぜこれだけ生殖医療が発展しているのだろうか。

治療の末に子供を授かっても授からなくても、儲かるからではないだろうか...?

on-nen.hatenablog.com

 以前まとめた上記の記事では、「結婚して子供を持つことを当たり前にしておけば、あらゆる企業が儲かる」と言及した。

この儲かる対象に生殖医療も含まれるとすれば、精神を病むほどの「実子信仰」を放置していたとしても説明がつく。

資本主義(儲け)の為には女性に病んでいてもらわないと困るという訳だ。

 

不妊治療のリスク

痛みや金銭的負担にフォーカスされがちな不妊治療であるが、果たして新生児の健康面に問題はないのだろうか。

自然の摂理に逆らって本来は着床しないはず、流産し淘汰されるはずの胚を人間に育て上げている為デメリットがないとは考えにくい。

調べているとこんな論文が出てきた。

 

Reproductive Technologies and the Risk of Birth Defect

「繁殖技術と出生欠陥の恐れ(直訳)」

(2012 Michael J. Daviesらによる)

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa1008095(論文リンク:NEJM)

 

オーストラリアで、1986年〜2002年に産まれた308974人の新生児を対象に行なわれた研究である。

以下の4つの妊娠に分けて比較している。

①人工生殖による妊娠

②人工生殖の過去歴がある妊娠(自然妊娠)

不妊歴はあるが、人工生殖でない妊娠(自然妊娠)

不妊歴無しの妊娠

 

対象新生児のうち先天性異常の割合は

体外受精児▶︎8.3%

自然受精児▶︎5.8%

でオッズ比が1.47(倍)

(背景調節値・多変量算出で1.24倍)

(※多変量算出とは年齢人種等の統計のぶれを補正した値のこと)

であり、さらに

体外受精のうち

IVF(精子ふりかけ法・より自然に近い)▶︎1.07倍

ICSI(顕微鏡法・注射針を卵子に刺して精子を注入する)▶︎1.57倍

(いずれも多変量算出)

つまりICSI(顕微鏡法)では自然受精児より先天性異常の発生率が高いということである。

また、④不妊歴無しの妊娠と比較した際(本文では「feritile:繁殖力がある」とされている)

②人工生殖の過去歴がある妊娠(自然妊娠)▶︎1.25倍

不妊歴はあるが、人工生殖でない妊娠(自然妊娠)▶︎1.29倍

と共に先天性異常のリスクが高くなると示されている。

 

この論文で触れられている一番大事な事実は

体外受精か自然受精かに関わらず、不妊歴は先天性異常のリスクを高める』ということである

 

先述の「産むのに向いていない人は無理に産もうとしない方がよい」

少なくとも自分自身の中ではこれを裏付け、強化する材料になった。

 

国を超えた女性の”産む機械化”

最後に、代理出産について成書に以下の記載があったので引用する。

 

グローバリゼーションのもとでは、国境を超えた経済格差が利用される。(上野千鶴子著『女ぎらい』より)

 

借り胎(はら)として株・不動産のような資本として扱われているとも取れる。

妊孕性を担保に国による通貨レートの違いを利用して金で金を儲けるシステム...

産む機械扱いより一歩踏み込んだグロテスクさを感じるのは自分だけだろうか。

 

 

おわり

(👇気が向いた方は星☆を頂けると幸いです)