独女フェミニストのオンネン

フェミニズムと反出生主義

男になりたかった10代の私へ、30手前の私より

10代のころはやんわり男になりたかった記憶がある。

その後フェミニズムに出会って「女でいたくなかった気持ち」「2級市民として扱われたくない気持ち」として理解することができた。

そのころのことを考えると今でも心の柔い部分がキュッとなる。

感情に浸りたいフェーズ突入だ。

なので中学生当時の私をなぐさめる気持ちと、

今も抑圧されている女性の一助になればと思いしたためる。

 ”女”に押し込められる違和感

同じような10代を過ごした女性は意外と多くいると考えていて、それは思春期の体の変化に伴う場合もある。急な体の変化に心が付いていけないという意味だ。

しかしスポットを当てたいのは外野からのジャッジによる社会学的性別への違和・反抗である。

本人の自覚・心持ちだけではどうにも押し通せない志向とでも言うべきだろうか。

 

簡単な例として挙げるならば、ある人が多少体つきにゆとりがあったとして、本人は食べたい物を食べ幸福であるつもりでも、その意思に関係なく勝手にルッキズムの物差しで品評される。

悪意をもって「痩せろデブ」と言われたり、善意の押し売りで「ダイエットにはこうしたら良いよ」と口出しされるのだ。

前者は言わずもがな、後者に関しても手前には関係ないから口を出すな案件である。

なぜ口を出すのかを掘り下げてラベリングするとすれば、”痩せ信仰による優越感”だろうか。

痩せ=美しい・正しいと刷り込まれているが故に正義の行為として他人に説教垂れている訳だ。

何の医学的知識も栄養学の知見も無いにも関わらずメディアから垂れ流される種々のダイエット神話だけには敏感でいちいちスピーカーして下さる。

大変頭がよろしいようで人生楽そうで結構である。(皮肉)

 

また話はそれるが「太っていてもオシャレ(装飾)を楽しめる」的主張も的外れだと考える。

フォーカスが当てられるのは概ね女性だけであるからだ。

オシャレ(装飾)に勤しまなければ人間ではない、という脅迫でしかない。

マーケットに新しい層を取り込みたいだけじゃないかと白けた目を向けている昨今である。

 

 

 10代の私へ、30手前の私より

 

男になりたいんじゃないと思うな。

あなたは真面目で、向上心があって、理不尽に他人を虐げる行為が許せない。

まっすぐな正義感を持っている。

なまじ勉強がそこいらの男よりできたばっかりに悔しい思いを沢山してきた。

 

女として軽く見られて、根拠もなくクラスの男子が偉ぶるのが癇に障ってしょうがなかったよね。私よりバカなのに何を知った口をきいてるんだろうね。

いつも教室を我が物顔で広く陣取って、下品に大騒ぎしてるの、ほんと嫌だったよね。

やれ誰々が大用トイレでうんこしただの、ブスだのデブだの。

お前は生まれてから一度もうんこしたことないのか。他人の姿形に口出すな。

それはお前がブスでも整っていても関係ないからな。

 

女子の多くはそんなことしないのにね。したって怒られるだけだけど。

意味が分からない。

だから男になりたかった。

 

でもさあ、それほんとかな?

男になってあそこに混ざってる自分想像できる?無理では?

性別だけでバカにされたり、役職を下げられたりするのが嫌なんだよね。分かる。今もそう。

何でだかクラス会長は伝統()で男子だものね。副会長は女子。

内助の功()ってか?笑えないし中学生にやらすなよ。

 

あと男になりたい理由としては、弟と同じ男になればお母さんに褒めてもらえるかもってとこかな?

残念なんだけど、国立大学に受かっても、超大手外資企業に就職してお父さんより稼ぐようになっても、お母さんに手放しで褒められることはありませんでした。

お母さんは男だから弟を褒めてたってこと。

ちなみにこの後弟は高校1年生を2回やって挙句高校を辞めますが、それでもお母さんは弟に甘々でした。

なんでも「判で押したような人生を選ばなかった!えらい!」だそうで。

判で押したような専業主婦が何が言ってる...

そして選ばなかったんじゃなくて(高校を)追い出されたんだよ...手に負えないって。

なので、割と判で押してる人生を恥じないで下さい。

これまでに充分に自尊心を削がれまくったあなたは何故かこのタイミングで真面目にコツコツやってきた事を恥じます。

コツコツ積み重ねられない人の僻み・戯言なのでシカトしましょう。

 

とはいっても私もこの事実を受け入れられたのはつい最近のことなので聞き流してね。

 

真面目な女達、人生を恥じないで

真面目だった幼少期を恥じないでほしい。

ルッキズムに乗れなかった、飲み込まれなかった自分を恥じないでほしい。

これがが一番言いたかった。

 

 おわり